近代栄養学要旨
五大栄養素とは、
ひとの体を形成する際に必要とされる栄養素を指します。
①炭水化物 ②脂質 ③蛋白質 (アミノ酸) ④ミネラル(無機質) ⑤ビタミン
五大栄養素の役割
5大栄養素 | エネルギー源 | 体の構成成分 | 生理作用の調節(酵素・ホルモン・抗体を合成) |
①炭水化物 | ● | ||
②脂質 | ● | ● | |
③蛋白質(アミノ酸) | ● | ● | ● |
④ミネラル(無機質) | ● | ● | |
⑤ビタミン | ● |
①炭水化物(糖質・食物繊維)
1).糖質:(1gあたり、4kcal)
・主食となるもの。 ・エネルギー源となる。
・グリコーゲンとして、肝臓と筋肉に貯えられる。
2).食物繊維:腸内細菌のえさ。
<種類> 1.不溶性(水に溶けない) 2.水溶性(水に溶ける)
<作用>
不溶性 | 水溶性 | |
1,便秘を防ぐ | ● | ● |
2,血中コレステロールの増加を防ぐ | ● | |
3,有害物質(発癌物質)の排出の促進 | ● | |
4,免疫力を高める | ● | |
5,小腸での栄養素の吸収を遅らせる | ● | |
6,満腹感を得られやすい | ● | ● |
<摂取量> 1000 kcal(摂取エネルギー量)あたり10g
<摂り方>
①野菜を食べる(~加熱すると1/10量になる)
・350g/日 (1/3 緑黄色野菜で摂る)
②豆、芋、きのこ、海藻、果物
③主食を食べる
②脂質
脂質:(1gあたり、9kcal)
・エネルギー値が高い。
・胃の負担を軽くする
・空腹感を感じにくくする
・ビタミンB1を節約する作用がある
<脂質の分類>単純脂肪・複合脂肪・その他(コレステロール)
コレステロールは・・・
①細胞膜の主要構成成分
②脳、肝臓、神経などに多く含まれる為、胎児期を含めた成長期には必要量が高まる。
③性ホルモン、副腎皮質ホルモン、胆汁酸、ビタミンDの材料となる
<種類と摂取割合> ①動物性:②植物性:③魚性= 4:5:1
<摂取量> 女➝50g/day 男➝60g/day
<摂り方> ①動物性:肉、卵、牛乳 ②植物性:野菜、芋 ③魚性:魚
③蛋白質(アミノ酸)
蛋白質:(1gあたり、4kcal)
・体の構成成分 ・エネルギー源となる。
・酵素、抗体、ホルモンの合成。
<種類>20種類以上のアミノ酸が合成する。
特に栄養学的に体内でまったく合成されないか、必要量を合成出来ないアミノ酸(=必須アミノ酸)は、食物から摂取しなければならない。
必須アミノ酸・・・
<摂取量・摂り方>
・肉:1切れ(60~80g) ・魚:1切れ(60~80g) ・卵:1個
・牛乳:1本(200ml) ・納豆:1パック ・豆腐:約100g
蛋白質の補正効果・・・
単品より複合食の方が栄養価を補う事により、より栄養価が上がる
④ミネラル(無機質)
①カルシウム(CI)
<意義> 生命維持に重要!
<存在場所> 骨・歯 = 99% 血液・筋肉・神経 = 1%
<作用>血液凝固・筋肉収縮・神経を興奮させる(不安定時・イライラする)
<多く含まれる食品>・桜エビ ・牛乳 ・海藻
<吸収>
促進因子
1).リン(但し多くとるとCI吸収を阻害する)カルシウム:リン=1:1
2).ビタミンDと日光浴
3).運動➝骨にカルシウムを沈着させる
吸収阻害因子
1).シュウ酸(ほうれん草の灰汁。茹でて、流水で振り洗いするとよい)
2).フィチン酸(玄米)
②鉄(Fe)
<意義> 生命維持に重要!
<作用>酸素を運ぶ
<種類>
①ヘム鉄(動物性):吸収率が高い
②非ヘム鉄(植物性):吸収率が低い(➝ビタミンC,蛋白質と共に摂る)
吸収阻害因子
リン ・ フィチン酸(玄米) ・ 食物繊維
ポリフェノール(=タンニン)➝珈琲、紅茶、緑茶
③マグネシウム(Mg)
<作用>酵素の活性化
<多く含まれる食品>そば・たこ・ナッツ・魚介類
④カリウム(K)
<作用>高血圧予防➝尿としてNaを排出させる
<摂取量>男性:2000㎎ 女性:1600㎎
<多く含まれる食品>里芋・バナナ・ネギ等
⑤ナトリウム(Na)
<摂取量>男性:10g未満 女性:8g未満(➝6gが理想)
⑥ヨウ素
<存在場所>甲状腺中 = 80%
<作用>甲状腺ホルモンの構成成分
<摂取量>妊産婦:260ng
<多く含まれる食品>海藻・サバ・カツオ・イワシ
⑦亜鉛
<存在場所>精液・前立腺・骨・肝臓・筋肉・膵臓
<作用>酵素の構成成分
<多く含まれる食品>牡蠣、牛肉、豚肝臓、ウナギ、等
⑤ビタミン
<種類>脂溶性(A・E・D・K)・水溶性(B群8種・C)
脂溶性
①ビタミンA:過剰症を起こしやすい
<作用>:造血・解毒作用
<欠乏>:夜盲症 成長障害 皮膚の乾燥
<過剰>:肛門閉鎖(胎児に対する影響)
<多く含まれる食品>人参
②ビタミンE
<作用>:抗酸化作用
③ビタミンD
<作用>:カルシウムの腸管吸収を促進する
<欠乏>:くる病・骨軟化症
<多く含まれる食品>魚・干し椎茸
④ビタミンK:生命維持。腸内細菌により生成される。
授乳期は不足がち
過剰症もある。
<作用>:血液凝固
<欠乏>:血液凝固障害
<多く含まれる食品>納豆
水溶性
①ビタミンB1
<欠乏>:脚気(しびれ、食用不振)
<多く含まれる食品>豚肉、胚芽玄米、糠
②ビタミンB2
<欠乏>:口角炎、皮膚炎、(=口の周り)
<多く含まれる食品>牛・豚・鶏レバー
③ナイアシン(ニコチン酸)
<欠乏>:皮膚炎・下痢・認知症
<多く含まれる食品>ぶり・鶏皮
④ビタミン C(アスコルビン酸 )
*抗体を作る (風邪・ストレス等に対して )
<作用>コラーゲンの生成・ 保水、保湿
<多く含まれる食品>野菜・果物・芋類
営業時間・情報
〒171-0051
東京都豊島区長崎4-33-18
03-6337-3636 午前8:00~午後6:00 受付終了
定休日:金曜日(金曜日が祝祭日の場合は営業いたします)
急患の場合は可能な限りご対応させていただきます。